世界を見据え、多様な経験を重ねる新たな教育を
特定分野においてハイレベルな教育を実施しているとして、文部科学省から「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)(平成18年度~)」の指定を受けてきた名城大学附属高等学校。「SSH」では社会を牽引する科学技術人材の育成を目的としています。
生徒たちの好奇心を高め、自ら学ぶ姿勢を育むために、先進的なカリキュラムはもちろんのこと、国内外の大学や企業と連携した取り組みも多数実施。社会で、世界で、活躍するための資質を築きます。
研究開発課題
アートシンキングによるイノベーション力のある国際的科学リーダーの育成
十分な自己理解の上で、社会や世界の諸問題について当事者意識を持って捉え、自ら課題を発見し、他者との協働を通して解決に向かうスキルとマインドを備えたイノベーション力のある科学リーダーを育成します。そのための体系的な教育課程や指導法および評価法を開発し、校内および他校に普及することを目的に展開します。
取組内容
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- 01 学校設定科目
- 「SSラボⅠ」、「SSラボⅡ」、「社会と科学」、「数理探究基礎」、「科学探究」などの科目を開設します。「SSラボⅠ」ではアートシンキングやサイエンススキルなど、課題研究の基礎を学習し、「SSラボⅡ」では個人、またはグループによる独自のテーマの課題研究を行います。「数理探究基礎」は2年生以降の「理数探究」につながる科目として課題研究の基礎を学習します。
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- 02 サロン
- サロン的学習とは、一方的な講義に留まらず、生徒と講師、または興味関心の高い外部者も一堂に会して、議論や質疑を行う学習形態です。本校の教員や大学、卒業生等の外部講師や生徒がさまざまな分野から話題提供者となって実施します。学習ルームを開放することで、生徒たちが日々自由に議論できる場を提供します。
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- 03 高大連携講座
- 国際的に活躍する方による講座、名城大学との協創による文理融合を推進した講座等を開設し、キャリア支援の一端を担います。科学に対する興味・関心を抱くこと、大学との協働により、将来の夢や目標について考え、積極的に物事に関わる姿勢を育てることを目的として行います。
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- 04 海外研修
- タイ王国や台湾を中心に、現地校との研究交流を中心とした海外研修を行います。タイ王国とは提携を結んでいるPCSHSトラン校の生徒とともに国際共同課題研究を進め、日本ではSSH東海フェスタ、タイ王国ではTJ-SIFやTJ-SSFといった発表会で相互に発表、交流することを計画しています。
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- 05 ノーベルラボ
- 名城大学にはノーベル賞を受賞された先生が所属されており、またそれに関連する研究室があります。これらの研究室と連携したり、アドバイスをいただいたりしながら課題研究を進めます。「SSラボⅡ」や「理数探究」を履修する生徒の希望者から選抜して実施します。
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- 06 科学系部活動
- 全てのクラス、コースの生徒に広く科学的な活動の場を設け、資質、能力を養うことを目的とします。メカトロ部、自然科学部を対象とし、コンテストへの参加や授業では扱いにくい課題研究、個人の興味関心に基づく自由な科学的活動、自治体、地域団体、児童館等と連携した調査・研究、発表や科学教室等を行います。
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- 07 SSH東海フェスタ
- 主に愛知県・岐阜県・三重県・静岡県のSSH指定校が一堂に会する生徒研究発表会です。毎年7月に開催され、参加者は1,000名を超えます。県の壁を超えて研究発表をすることは、研究成果の発表の場というだけでなく、生徒、教員を含めた指定校相互の交流、情報交換の場として重要です。また、広くSSHの成果を普及することも役割の一つです。名城大学と密接に連携し、産学協同で実施します。
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- 08 教育版360度評価(Meijo Multi-Feedback : MMF)
- 主に課題研究活動が生徒の資質・能力・マインドの習得や育成にどう影響しているかを把握するために行います。多角的、多面的、複合的に生徒の変容を知る新たな評価手法として開発しています。
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- 09 その他
- 大学や企業の研究施設、博物館等でのフィールドワークや国際科学オリンピック国内予選の参加、科学の甲子園への参加、学生科学賞やJSECへの応募など、外部への活動も積極的に行います。
研究計画
第1年次(令和3年度)
「SSⅠ」の改善とMMFのルーブリック化を進める。SSH東海フェスタでの学校間共同課題研究の発案、タイ王国との国際共同課題研究の推進についてオンラインを活用して実施する。
学年 | 第1学年 | 第2学年 | 第3学年 |
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重点 | SSⅠ | タイ王国との国際共同課題研究の推進、SSラボ | SSラボ |
準備 | SSラボⅠ | SSラボⅠMMFのルーブリック化の検討 | |
評価 | 高校IR・MMF・課題研究評価研究会・卒業生への追跡調査 |
第2年次(令和4年度)
「SSラボ」の改善とMMFのルーブリック化を進める。「数理探究」から「理数探究」への移行を検討する。SSH東海フェスタでの学校間共同課題研究の実施、タイ王国との国際共同課題研究の発表を行う。
学年 | 第1学年 | 第2学年 | 第3学年 |
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重点 | SSラボⅠ | ルーブリック化されたMMF | タイ王国との学校間共同研究の発表、SSラボ |
準備 | 理数探究、SSラボⅡ | SSH修了生受け入れ制度の検討 | |
評価 | 高校IR ・MMF・課題研究評価研究会・卒業生への追跡調査 |
第3年次(令和5年度)
科目「理数探究」を実施する。「SSラボⅠ」から「SSラボⅡ」までの指導計画の確立とMMFのルーブリック化について検討を進める。「社会と科学」および「科学探究」の準備を進める。SSH東海フェスタでの学校間共同課題研究の発表を行う。SSH修了生受け入れ制度の横展開について方向性を定め、「課題研究評価研究会」ではMMFの高大接続への利用について検討する。
学年 | 第1学年 | 第2学年 | 第3学年 |
---|---|---|---|
重点 | SSラボⅠ | 理数探究、SSラボ Ⅱルーブリック化されたMMF |
SSラボ SSH修了生受け入れ制度 |
準備 | MMFの高大接続への利用 社会と科学、科学探究 |
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評価 | 高校IR ・MMF・課題研究評価研究会・卒業生への追跡調査 |
第4年次(令和6年度)
科目「社会と科学」を実施する。科目「数理探究基礎」から「理数探究」までの指導計画について検証と改善を行う。「SSラボⅠ」から「SSラボⅡ」までの指導計画の普及とMMFのルーブリック化を確立する。MMFの高大接続への利用を引き続き検討する。
学年 | 第1学年 | 第2学年 | 第3学年 |
---|---|---|---|
重点 | SSラボⅠ | SSラボⅡ、理数探究 ルーブリック化されたMMF |
SSラボⅡ、理数探究、社会と科学、科学探究、 ルーブリック化されたMMF |
準備 | 高校IR ・MMF・課題研究評価研究会・卒業生への追跡調査 | ||
評価 | 探究活動ワークショップ等によるSSラボⅠからSSラボⅡまでの指導計画の普及 |
第5年次(令和7年度)
科目「社会と科学」および「数理探究基礎」から「理数探究」までの指導計画について確立する。「SSラボⅠ」から「SSラボⅡ」までの指導計画の普及とルーブリック化されたMMFの普及と高大接続への利用を実現する。
学年 | 第1学年 | 第2学年 | 第3学年 |
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重点 | 理数探究 | 社会と科学、MMFの高大接続への利用 | |
準備 | 高校IR ・MMF・課題研究評価研究会・卒業生への追跡調査 | ||
評価 | 探究活動ワークショップ等によるルーブリック化されたMMFの普及 |
報告書・資料等
- 令和5年度SSH研究開発実施報告書(2023)
- 2023年度SSラボIIルーブリック
- 360度評価 (Meijo-Multi Feedback:MMF)
- 課題研究指導ハンドブック
- 令和4年度SSH研究開発実施報告書(2022)
- 令和3年度SSH研究開発実施報告書(2021)
- 令和2年度SSH研究開発実施報告書(2020)
- 令和元年度SSH研究開発実施報告書(2019)
- 平成30年度研究開発実施報告書(平成30年度)
- 平成29年度研究開発実施報告書(平成29年度)
- 平成28年度研究開発実施報告書(平成28年度)
- 平成27年度研究開発実施報告書(平成27年度)
- 平成26年度研究開発実施報告書(平成26年度)
- サイエンス実習(平成26年度)
- 平成25年度研究開発実施報告書(平成25年度)
- バイオサイエンス(平成25年度)
- 平成24年度研究開発実施報告書(平成24年度)
- 東海地区フェスタ2012研究収録
- 平成23年度研究開発実施報告書(平成23年度)
- 平成22年度研究開発実施報告書(平成22年度)
- 平成21年度研究開発実施報告書(平成21年度)
- 平成20年度研究開発実施報告書(平成20年度)
- 平成20年度SSHリーフレット(平成20度)
- 平成19年度研究開発実施報告書(平成19年度)
- 東海地区フェスタ2007研究収録(平成19年度)
- 平成18年度研究開発実施報告書(平成18年度)