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名城サイエンスサロン2

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第2回名城サイエンスサロンが5月13日に行われました。今回も前回同様に,参加人数が多かったため,3号館2階の学習ルームと視聴覚教室を使用してサロンを実施しました。また,今回より生徒が主体的にサロンを展開していきました。今回の提案者は,スーパーサイエンスクラス3年生の山﨑楓斗君と2年生の女子生徒です。


 今回のテーマは「記憶の不思議~脳の仕組み・勉強法~」です。
 まず初めに記憶と勉強について山崎君が講義を行いました。最初に海馬の仕組みについてと記憶の種類について紹介し,その後,短期記憶を長期記憶にする方法や勉強への活かし方についてエビングハウスの忘却曲線を絡めながら話しました。短期記憶を長期記憶にする方法としては,「記憶に残りやすい時間帯」,「エピソード記憶」,「場所法」,「メモの活用」について具体例を示しながら解説し,その学説に基づいた山崎君独自の勉強法が紹介されました。引き続き,「7回読み勉強法」,「3サイクル反復復習法」,「4回復習勉強法」など著名な方々の勉強法も併せて紹介しました。また,エビングハウスの忘却曲線については,知っている人も多かったため,班ごとにグラフから読み取れることを議論してもらいました。実は,エビングハウスの忘却曲線は意味のない単語の暗記率を表しているものなので,意味がある単語では記憶の定着率が変わってくるという話もしました。


 後半は,2年生の女子生徒によるワークショップを行いました。今回は記憶の定着率構造を実感するためのグループワークを行いました。1つ目は「ダ・ヴィンチマップ」です。「ダ・ウィンチマップ」とは,ある単語のイメージを単語だけで広げていく,簡単に言うとマインドマップの単語版のようなものです。これは発想力が鍛えられるというツールで,1人でもできますが,ペアで紙を交換しながらマップを広げていくことで,自分の考えつかなかったようなイメージや発想を確認できるため,より発想力を鍛えられると思いペアワークで行いました。2つ目はイメージ変換トレーニング。これは生徒同士でコミュニケーションを行いながら複数の単語を共通のイメージで結びつけるというものです。意味のない単語同士でも,文章を作ったりイメージを作ったりすることで記憶の定着率が上がるというもので,これも数人で行うことによってより効果が期待できると思い行いました。3つ目は「マスゲーム」を行いました。4×6マスにある絵柄の暗記ゲームを行ってもらいました。二回行いましたが一回目は暗記時間を3分取ったため,多くの人がほとんど暗記できました。そこで,二回目は暗記時間を1分にしました。その際に班ごとに暗記しやすくなるような作戦を立ててもらってから行いました。暗記時間が1/3だったので,暗記率は低下傾向がありましたが,時間効率的には平均して記憶率の向上が見られました。


 今回は準備から発表まで生徒が主体で行うという初めての試みであったため多少の問題はありましたが,無事にサロンが展開できました。また,参加してくれた一年生から保護者の方とサロンの話をして家族で盛り上がったという話を聞き,担当者一同勇気づけられました。
 次回の名城サイエンスサロンは,6月10日の国際サロンと合同開催の「SDGs~貧困問題について~」です