日々の活動

校外学習「SSツアー(兵庫)」

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 2024年8月6日~8日に第1学年SSクラス29名が参加するスーパーサイエンスツアー(SSツアー)を2泊3日で実施しました。

 第1日目はまず、オムロン京都太陽株式会社の工場見学を行いました。オムロン京都太陽株式会社は障がい者雇用に力を入れている会社です。生徒たちは障がい者体験を行った後に現場を見学しました。様々な種類の障がいを持つ人たちが、働きやすくするにはどうしたらいいかを考え、実践している様子をみて、工夫をすればどんな人でも同じように働くことができること、その立場に立って考えると気づくことがあることを知りました。日頃は先端の研究等に目が向きがちですが、今回の見学を経て視野を大きく広げることができました。
 続いて、京都大学大学院薬学研究科を訪れ、薬学合成科学分野の高須 清誠先生による「『くすりの作り方』を創る」という講義を聴講しました。講義では、くすりについての基礎知識をお話しいただきました。特にコロナに有効なくすりを作る作戦を考えるグループワークは興味深いものでした。さらに、ベンゾカインを合成する実験を経験しました。3〜4人のグループに分かれて、TA(現役の京大生)に直接指導をいただきました。初めてくすりを合成して、生徒自ら麻酔薬を体験出来たことは思い出に残ったようです。また、TAの方もとても親切に教えていただき、実験のみならず、研究室の説明や学校生活の話など生徒の要求に合わせて柔軟にお話しを頂けました。
 夜間研修では一日の研修の内容をグループで振り返り、プレゼンテーションの作成をしました。京都大学やオムロン京都太陽株式会社で気づいたこと、興味を持ったこと、考えたことを共有することで、お互いの視点の違いに気づき、新たな考えを深める時間となりました。

 第2日目はまず、大阪市自然史博物館を訪れました。地球の歴史、生物の進化、環境保護に関する展示を通じて、自然界の多様性や地球の成り立ちを学ぶことができました。恐竜の化石や地域の動植物の展示も豊富で、生物分野全般に関しての知見を深めることができました。
 続いて、大型放射光施設 SPring-8/SACLA を見学しました。映像での概要説明の後、職員の方による放射光に関する説明、実際に行われている研究の概要、SPring-8やSACLAのしくみについて講義を受けました。 SPring-8に入り、加速器の大きさを実感するとともに、たくさんのビームラインがあり、それぞれで多種多様な研究が進められていることを知りました。JAXAが利用しているビームラインでは小惑星の砂の分析をしていることなど、ニュースで見聞きする研究の現場にいることを実感できました。次に、SACLAの施設の中に入り、電子銃から700mの線形加速器のすぐ横を歩きながらアンジュレータなどを目の前にして見学することができました。
 夜間研修では本日の研修の内容をグループで振り返り、昨日に引き続きプレゼンテーションの作成をしました。最後のプレゼンテーションを発表し、互いの気づきを共有しました。

 第3日目は、令和6年度スーパーサイエンスハイスクール生徒研究発表会を見学しました。
スーパーサイエンスハイスクール生徒研究発表会は、全国のSSH指定校の生徒が科学や技術分野で行った研究成果を発表し、意見交換を行う場です。研究力向上と科学的な交流を目的としています。本校からは代表者として「強光照射下におけるミドリムシの新奇光応答」というテーマで発表を行いました。
発表会の間、生徒同士で活発に議論しあう姿が見られ、同年代どうしで刺激し合い、自身の研究を一層発展させる糸口と意欲を得たようでした。

 大学、企業、研究施設などで見学し講義を受けて、多くの学びや気づきが得られる3日間となりました。各施設の方からは真剣に興味を持って聞いてくれてとてもよかった、多くの質問が出てきてとても素晴らしかったという言葉をそれぞれからいただきました。これからも様々な場面で多くの経験をして成長してほしいと思います。