日々の活動

海外研修「グローバルフィールドワークin台湾」第4~5日目

  • SGHネットワーク・WWL

 2024年12月23日から27日にかけて、全校生徒対象の海外研修である「グローバルフィールドワークin台湾」を実施し、10名の生徒が参加しました。

 12/26(4日目)は前日の調査結果をもとに、午前中(9時から12時30分)は、まず台中科技大学の生徒さんとディスカッションを行い、テーマについての考察をまとめます。テーマは第一班が「台湾と日本における方言への意識」、第二班が「職業における男女格差」、第三班が「子供を焦点とした防災への備え」です。続いて、その結果をスライドで表現する作業に取り組みました。考察や作業を進めるにあたってもっとも意識したのは「協働」です。生徒たちにはグループ活動において、日本と台湾の生徒がそれぞれの長所を発揮できるようにしました。
 この結果、各班の取り組み方は三者三様となり、プロデューサー役が全体の設計図を描き、日本・台湾の生徒のペアに適切な指示することで、お互いの役割を明確にする班や(分業型)、ある生徒が台湾と日本の生徒の橋渡し役を引き受け、お互いの意見を調整することで考察を発展させていった班もありました(すり合わせ型)。生徒たちの感想を聞くと、「役割分担がうまくできたので、お互いの得意・不得意を補うことができた」「日本と台湾の生徒がお互いにサポートすることができた」という声が多くあがりました。

 午後は午前中に作成したスライドを他の班や、台中科技大学の先生方の前でプレゼンテーションを行いました。一班につき発表時間は10分を目安とし、その後質疑応答の時間を5分設けました。
 午前中のディスカッションに比べて、プレゼンテーションについては反省点が多かったようです。例えばある班は、調査から読み取ることのできる「現象」と「その理由」を丁寧に説明することだけにとらわれてしまい、全体を通した俯瞰的な考察ができなかったことを反省点としてあげていました。また別の班は客観的データとして客観的データとして数字(グラフ)を適切に提示することはできたが、数字だけでは具体的イメージを聴取者に与えられないので、回答者の具体的な意見をもっと提示すべきであったとの反省もありました。
 さらに要望として、調査内容に対して考察をふかめる時間が足りないため、前日の夜からグループワークを進めたかったとの意見がありました。また生徒によってスライドを作成するスキルに差があるため、研修前の準備段階にそのスキルを学ぶ機会があってもよいのではないかとの提案もありました。

 この経験は当日だけにとどまりません。生徒からは「(海外での活動で台湾の生徒に助けられたので)今度は自分が日本にやってきた留学生に日本でできることを手伝いたい」「私のコースは発表が多いので、経験値を上げるという点でとても有意義だった」「私のコースは留学生がやってくる機会が少ない。たぶん留学生がやってきたら緊張してしまうだろうけれど、今回の経験によりずいぶんハードルが下がったような気がする」なと、今後の学校での授業・活動に活かしていこうとする意見も多く挙げられました。

 12/27(5日目)は研修の最終日、台中から名古屋への移動日となります。ホテルを朝早い時間から出発するにもかかわらず、台中科技大学の先生や学生さんがホテルのロビーまで見送りに来てくれました。バスの中では「(科技大学の生徒さんが)日本に来たら、ぜひ案内したい」「また台湾に来たい」という声が生徒からあがっていました。
 空港に行く途中、故宮博物院に立ち寄り、ガイドさんの案内で館内を見学しました。台中から台北まで渋滞が激しく、現地では十分な時間が取れなかったため、多くの生徒たちが目当てにしていた特設展示の「白菜」を鑑賞する時間がとれなかったことが心残りです。

 学校に帰ってからは、この五日間のまとめ学習を行います。その成果は翌年2月13日の「生徒研究発表会」で披露する予定です。