日々の活動

第5回Sサロン「みんなシアワセモになぁ~れ!~ボルボックスマニア微生物講座~」

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第5回サイエンスサロンが9月22日に1号館生物室で行われました。今回のテーマは「みんなシアワセモになぁ~れ!~ボルボックスマニア微生物講座~」です。実験機材の都合により、30名に絞ってサロンが展開されました。今回の話題提供者はSSクラス2年の小島さんです。

 まず、小島さんからこのサロンにおいて意識して欲しいこととして2つのお願いがありました。一つは、興味をもち疑問に思ったことは手元にあるタブレットで調べること。次に、その疑問はグループで共有しとことん話し合うことでコミュニティを広げることです。

 アイスブレイクの後、「微生物とは何?」という問いかけがありました。各グループでの議論の結果、次のようにまとまりました。微生物の定義は「肉眼では観察が難しい微小な生物」。さらに、キノコ、カビ、酵母に代表される「菌類」。アメーバ、ゾウリムシなどの「原虫」。今回の観察の対象となっているシアワセモ、ボルボックスなどの「藻類微生物」。最近問題になっているインフルエンザ、コロナなどの「ウィルス」と4つのカテゴリーに分かれる。普段私たちが目にしている植物、動物界は実は広いようで、全体を見たら一部分が進化して種分化していったものに過ぎず、ほとんどの生物が微生物に属し、実は微生物の世界は小さいようでとても広いということが分かりました。

 微生物は動物や植物とは違い複雑な器官はありません。その代わり植物や動物では分からなかった種分化の歴史を辿るうえでとても大きな手掛かりになります。これから扱うボルボックスも進化の大きな手掛かりとして有名な微生物です。

 顕微鏡の扱い方をクイズを通して学んだ後、いよいよ顕微鏡を使った観察実験です。「麦から生えたカビ」、「屋上や池から取ったカイミジンコ」、「酵母」の3種類を顕微鏡で観察しました。最後に、「ボルボックス」の観察を行いました。ボルボックスは、ホールスライドガラスの中を激しく動き回るので視野の中に捕らえるのはとても大変でした。

 小島さんから、「大学で研究している教授の受け売りですが、好きなものを調べてその仕組みを解明しようとするのは基礎研究と言われ、世間的には理解されにくい学問です。しかし、ここで何年も研究し続けている研究者の中には、ただ顕微鏡を覗く、化合物を調整するなど実験そのものがただ楽しくて研究している人も中にはいる。でもそれでいいんじゃないか、その結果大きな発見に繋がることがあるからです。」とのコメントがありました。

これで前期のサイエンスサロンが終了しました。後期のサイエンスサロンの日程及びテーマは近いうちに連絡します。