6月22日、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)事業の一環として,全校生徒を対象にした第2回高大連携講座が開催されました。講師は,名城大学大学院理工学研究科終身教授の飯島澄男先生。飯島教授は,1970年代のアメリカ滞在中に「高分解能電子顕微鏡技術」を開発し,世界に先駆けて結晶中の原子の撮影に成功しました。その後,金属ナノ結晶の構造不安定性の発見やカーボンナノチューブの発見などで,世界のナノサイエンス・ナノテクノロジーを先導しています。
今回のテーマは「科学はみることから始まる~カーボンナノチューブの発見~」です。先生自身の研究者としての歩みを,科学史,ノーベル賞受賞史を概説しながら,科学研究での観察の重要性を説きました。先生は,東北大学大学院で電子顕微鏡の権威に師事し,Dream to see the atom(原子を見る夢)を追い求め,渡米してアリゾナ州立大学で12年間研究を続けました。電子顕微鏡を駆使して材料科学を研究する魅力にとりつかれ,カーボンナノチューブは偶然発見したといいます。「それはserendipity(セレンディピティ,偶然の幸運)とも言え,われわれ凡人は偶然を狙っている」と謙遜していました。そのうえで,「一番好きなことを見つけよう。そして果敢に挑戦しよう。そうすればあなたも科学者になれる」さらに「未来に希望をもって欲しい。中国や韓国の若い人たちはとてもハングリーです。あなた達も負けずに頑張ってください」と講義を締めくくりました。
高大連携講座(SSH)
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