研修4日目である10月12日は、ウブド第一高校の生徒たちへの追加調査、ウブドの地域に根ざした企業活動と観光業のあり方を学ぶため、ロイヤルピタマハホテルにてフィールドワークを行いました。バリには外国資本のホテルが立ち並ぶなかで、ピタマハリゾートはウブド王家の方が経営されている地元のホテルです。他の近代的な巨大ホテルとは一線を画す、地元の人々や自然と共にあるための選択について、具体的に教えていただきました。
以下は日直が作成した記事です。
今日の午後はロイヤルピタマハホテルでフィールドワークを行い、Public & Guest Relations Coordinatorをされているマンダラ恵子さんに講義をいただきました。
こちらでは、ロイヤルピタマハについてはもちろん、地域に密着したホテルとして、いかに地域と共に生き、貢献するかといったお話も聞くことができました。
例えば従業員には全員バリ人を採用し、一から教育を行うそうです。また、バリの人々は祭りなどの儀式を大事にするため、祭りの日には休まれることがあるそうですが、それも踏まえて、72室に対して400名程を雇っているとのことでした。さらに現地の自然をそのまま生かして設計したり、建具も輸入するのではなくバリで作られたものを使用したりしておられました。様々な施設を見せていただきながら、全てが便利で虫もいない環境を作るのではなくて、すでにそこにある文化や環境を生かして、それらが調和する中で過ごすことが自然だと伺い、日本ではそんなことを意識していなかったと気づきました。
今回のバリ研修で私たちはイナグランドバリビーチホテルとブワナホテルという場所に滞在しました、イナグランドバリビーチホテルはバリの観光開発がスタートする時に日本の戦後補償で建てられた、広い敷地と今では見られなくなった10階建ての大きなホテルです。ブワナホテルは全40室で、敷地のなかに様々な植物やハチの巣やコンポストのある自然や健康をテーマにしたホテルです。人々の観光やリゾートに対する考え方やニーズも様々であるなかで、現地のホテルのコンセプトを比較しながら学習することができました。(Uさん)
午前は、ウブド第一高校の生徒に向けて昨日の調査の補足・追加の調査を行いました。
特に「バリ島における観光開発が伝統社会に及ぼす影響に関する考察」という先行研究の調査に倣って調査しました。「観光化が進むと伝統が失われると思うか」という質問は回答にばらつきがあったものの、「若い世代が伝統芸能受け継ぐ責任があり、自分も受け継ぐつもりがある」、「バリ人である以上、伝統芸能のパフォーマンスができることは当然だと思う」、「宗教行事には自ら進んで参加している」という回答は非常に多いことが印象的でした。前日の教育班の調査結果と合わせて考えると、地元バリ島での暮らしに愛着と誇りを持っていることを改めて感じました。(Kさん)